ウォルドルフ・アストリア ザ タワーズ

現在リノベーション中。オープンしましたらお知らせします。

歴史は全てを物語るものです。時代に淘汰され生き残ってきたホテルがその歴史が故、伝説のように形容されるホテルとなっています。歴史に洗礼を受けニューヨークで輝き続けた最高峰ホテルは、このウォルドルフ=アストリアか、セント・レジス、この2つのホテルだけかもしれません。バトラーサービスを世界で初めて開始したのがセントレジスならば、ウォルドルフ=アストリアは、ルームサービスをゲストに提供し始めた世界初のホテルでした。ホテルに歴史があればそこに宿泊する顧客もまた一層華やかな人ばかりです。宿泊する顧客はVIPの中でも特にVVIPと呼ばれる方々。昭和天皇や小泉元首相、弊社のお客様の中でも日本を代表するIT企業のトップの方など層々たる顔ぶれがこのホテルのタワーにご宿泊しています。

ウォルドルフ=アストリアホテルといっても2つの別のホテルが同居しているような造りで、25階までのメインと呼ばれるホテルとは別に、The Towers of the Waldorf=Astoria(タワー・オブ・ウォルドルフ・アストリア・ホテル)が存在しています。わたしたちは単にタワーと呼びます。ウォルドルフ=アストリアホテルの中にある別のホテルと言った方が分かりやすいかもしれません。入り口もチェックインカウンターもエレベーターもメインとは別で、ウォルドルフ=アストリアの中にあってその存在には気づかれないようにひっそりとしています。したがってセキュリティー上の警備がし易いという利点があり、歴代の大統領がニューヨークに滞在する際には決まってこのタワーにお泊りになられていました。タワーは文字通りウォルドルフ=アストリアのタワーレベル(28階から42階まで)にあり、50丁目の小さなプライベート入り口から細い通路のロビーを通ってエレベーターで上層階に上がります。部屋数も約50の部屋と100のスイートルームから成る小さなホテルです。小さなロビー、少ない客室数は最高級ホテルの必須条件です。また、そのうちの約半数がレジデンス。同じホテルの中でホテルとレジデンスを同居させた初めてのホテルでもありました。フーバー大統領が任期を終えた後30年もの間住んでいたことはよく知られており、フランク・シナトラ、マリリン・モンロー、最近ではパリス・ヒルトンなど著名人が多く住まれております。また、マッカーサー元帥も退役後の自邸としてアメリカが購入し老後の生活を保証。元帥亡き後も未亡人は、夫の名にちなんだマッカーサー・スイートで永眠なさるまでお住まいになられていました。1975年、戦後初の昭和天皇による訪米時には、天皇もこのタワーに宿泊され、自らの希望でタワーにお住まいの元帥の未亡人に面会になられました。

このホテルの歴史は古く、またさらにニューヨークトップホテルのうちの1つ、セントレジスとよく比較されます。元々この2つのホテル、創設者は同じアスター一族です。アスター家はアメリカ独立戦争の頃より続く当時ではアメリカ最大の富豪の家系です。初代アスターは、ビーバーの毛皮貿易で財を成しニューヨークから西へ商域を拡大し同時に不動産を買い占めました。当時の資産を算出すると、現在の貨幣価値で人類史上第4位の資産家となっています。さらにその子供、孫の代と資産を増やし続けます。アスター一族は、5番街を中心に北に北に土地を買収しつつ34丁目に「ウォルドルフ・ホテル」と「アストリア・ホテル」を、55丁目に「セントレジス・ホテル」を建設します。(1912年、セントレジスを創業した時の当主アスター4世はタイタニック号の沈没により没)。この時代、アメリカが最も発展した時代で、蒸気、石油、鉄道、電気、自動車など新しい発明、産業が興り経済力を押し上げて大富豪が続々と生まれました。歴史が浅く、王城、宮殿のないアメリカ。富を築いた富豪たちはヨーロッパの貴族社会への憧れから上流階級のための華麗で洗練されたホテルを建設します。それが、プラザや、セントレジス、ウォルドルフ=アストリアに代表されるグランドホテルと呼ばれるホテル群です。

アスターが保有していた2つのグランドホテル、「ウォルドルフ・ホテル」と、「アストリア・ホテル」ですが、同地にエンパイアーステートビルの建設が決まり、2つが合併して、現在の場所、パーク街の49丁目と50丁目の間にウォルドルフ=アストリア・ホテルとして移転しました。アメリカがイギリスを抜き世界最大の産業国となった頃。第一次世界大戦で大勝し兵士達が悠々と帰還してニューヨークが湧きに湧いた時代です。ウォルドルフ=アストリアは、グランドホテル時代の最後にできた最高級ホテルでした。

さて、タワーについてです。タワーのコンセプトは、世界大恐慌前夜のパクス・アメリカーナに湧いたそんな好景気時代の世界最高級の華麗なるホテル。各階、スイートルームのタイプにより内装は異なりますが、部屋はクラシックで18世紀のヨーロッパの宮殿のようなデザインです。歴代の大統領が必ず宿泊してきたとおりプレジデンシャル・スイートはホワイトハウスそのままのインテリアとなっています。床は全て大理石でその上に高価なラグが敷かれています。タワーレベルと違い、ウォルドルフ=アストリアのメイン館に位置するロビーやチェックインカウンターは巨大ホテルが故に常に混雑しておりツアー客などで騒々しい印象を受けます。それに対して、こちらのタワー館は、入り口も異なり隠れ家のような印象です。レセプションでは並ぶことなくチェックインができますのでメイン館のように混雑はしません。また、タワーレベルはメインレベルに比べお部屋も広く天井も高くなっています。なお、豆知識になりますが、お部屋のドアにある安全の説明書き。4ヶ国語のみで書かれてあります。英語、スペイン語、ドイツ語、そして日本語です。2015年、ウォルドルフ=アストリアの所有権はヒルトンから中国の投資会社に移りました。しかしながら、運営権はヒルトンのままだそうです。安全の説明書きもそのまま日本語であって欲しいものですね。

個人的な意見

ウォルドルフ=アストリアのタワーでは、歴史に敬意を払い古き良きアメリカを感じることができます。歴代大統領や世界を動かしてきた大富豪、歴史上の巨人等に愛されてきたホテルです。しかしながら、ウォルドルフ=アストリアは古いホテルです。日本のホテルとは違いアメリカの古いホテル、特にグランドホテルと呼ばれる時代のホテルを楽しまれるには慣れが必要かもしれません。初めてお泊りになられる方にはしっくりとこない方もいらっしゃるかもしれません。東京でいう、リッツ・カールトンや、グランド・ハイアット、アンダーズのような現代的な高級ホテルチェーンとは雰囲気が異なります。新しい設備やデザインに居心地の良さを求める方でしたら、ウォルドルフ=アストリアのタワーよりもセントレジスやリッツカールトン・セントラルパークをお勧めします。この2つのホテルは、建物はグランドホテル時代のものですが、全面改装後は現代的なデザインにリニューアルされて機能的です。歴史の重厚さの中に機能的な新しさが生かされています。

部屋数:150室程(100室のスイートルーム)
スタイル:クラシックラグジャリー
雰囲気:40代~ / 皇族、政界 / エスタブリッシュメント

ウォルドルフ・アストリア ザ タワーズの口コミ

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