ペンシルバニアホテル

 ホテルペンシルバニア(Hotel Pennsylvania)は、1919年に創業したツーリストクラスの老舗ホテルです。当ホテルはミッドタウンにあり、ホテル正面にはペンシルバニア駅があります。ホテルからエンパイアステートビルやタイムズスクエアへも歩いて行ける距離です。当ホテルの1つ目の特長は料金が安いことです。安価である分、お部屋は古く、サービスや設備は最低限のものとなります。2つ目の特長は、ペンシルバニア駅に近いことです。ペンシルベニア駅には、ボストンやワシントンDCなどのニューヨーク近郊都市への列車が乗り入れているため、列車で移動される旅行者には便利な立地です。ご予算重視の方、または列車で近隣都市へ乗り継ぎをされる方には、目的に合ったホテルとなります。

ホテル ペンシルバニアが創業した20世紀初頭は、伝統的な建築様式で建てられた”グランドホテル”隆盛の真っ只中でした。当時、豪華絢爛なホテルとして「ザ セント・レジス ホテル ニューヨーク」や「プラザ・ホテル」などが創業し、王侯貴族や一部の富裕層を対象顧客としていました。そんな中、旅行の大衆化をいち早く見据えていた人物がホテルペンシルバニア創業者エルスワース・ミルトン・スタットラー(Ellsworth Milton Statler)氏でした。スタットラー氏は、観光旅行を一部の富裕層だけでなく、誰もが旅を楽しむ時代が来ると考えました。そして彼は、当時の中流階級以下の一般旅行者や、商用・ビジネスの出張者を対象としたホテル展開を図りました。低料金・高サービスをコンセプトとし、建物の構造、従業員の組織や仕事内容など、ホテル経営のすべてを簡素化しました。彼は1908年にバッファローで第一号店スタットラー・ホテルを開業しました。「1ドル半でバス付の部屋を(A room and a bath for a dollar and a half)」という当時では革新的なキャッチフレーズを掲げ、今日のホテルのスタンダード(全部屋にバスルーム、電話、室内灯スイッチ、姿見を備え、新聞の無料配布のサービスを行う)を生み出しました。一般大衆が安価で清潔に泊まることを実現し、これが近代的ホテル・チェーンの幕開けとなり、全米7都市、合計7,250 室を所有するホテルグループにまで拡大しました。1954年にヒルトンホテルに全ホテルを買収されましたが、シェラトンホテルやヒルトンホテルといった今日の巨大ホテル・チェーンの先駆けとなりました。

ホテル ペンシルバニアは、エルスワース・ミルトン・スタットラー氏とアメリカ合衆国の一級鉄道ペンシルバニア鉄道によって建てられ、1919年に5番目のチェーンホテルとして開業しました。建物のデザインは、20世紀初頭のアメリカを代表する設計事務所のマッキム・ミード&ホワイト(McKim, Mead & White)が担当しました。ニューヨークのランドマークの一つのメトロポリタン美術館やマディソン・スクエア・ガーデンも当事務所が担当しました。この設計事務所は南北戦争後のアメリカにおいて、都市建築におけるアメリカン・ルネサンス様式の発展に貢献し、アメリカ建築の歴史に多大な影響を与えました。開業当時はホテル産業と共に鉄道産業が盛んで、ペンシルバニア駅の開業、グランド・セントラル駅の修復が行われ、鉄道駅は多くの観光客が利用する都市の玄関口の役割を果たしていました。ペンシルバニアホテルは、ペンシルバニア駅のすぐ近くにあり、安価だったため、大衆向け人気ホテルとして地位を確立しました。1930年代から40年代のスイングジャズやビックバンド全盛期には、列車に乗って他州からやって来たオーケストラ隊の定宿先として親しまれていました。ホテルペンシルバニアといえば、1954年公開の映画「グレン・ミラー物語(The Glenn Miller Story)」が有名です。作中では「ペンシルベニア6-5000」という曲が使われており、曲名は、グレン・ミラーが演奏ツアー中に宿泊していたホテルの電話番号です。そしてこのホテルこそ、ペンシルバニアホテルです。当ホテルは、大衆とともに時代を歩んできた歴史のあるホテルです。

 ホテルペンシルバニアは7番街と34丁目にあります。ホテル正面には、ライブやスポーツ観戦のメッカとして有名なマディソン・スクエア・ガーデン、1ブロック北に巨大ショッピングデパートのメイシーズ、徒歩圏内には、劇場街の中心地タイムズ・スクエアがあります。お買い物やミュージカルなどの旅行目的の方にはぴったりなホテルです。最寄り駅のペンシルバニア駅は、南北に走る地下鉄青ラインと赤ラインが通っており、移動にも便利です。ニューアーク・リバティー国際空港へ行くNJトランジット、ジョン・F・ケネディ国際空港へ行くLIRRも通っています。ホテル周辺は、タイムズスクエアが近く、歓楽街の中心で、昼夜関係なく賑やかなエリアのため騒がしく感じられるかもしれません。ビジネス目的のご出張の方には、騒々しいエリアですから不向きと言えます。

 お部屋は特にデザイン性もなく、内装は古く貧相な雰囲気です。巨大なホテルで、建物がビルの内側で2つに分かれているために各階が迷路のように繋がっています。さらに、カードキーが壊れている/ブラウン管のテレビがまだあった(2016年)/ツインルーム(ベッドが2つ)の部屋を頼んだのにオーバーブックされていて、ベッドが1つしかなかったなど、設備の不足や宿泊者への配慮が欠落している部分があります。全室冷暖房完備、小型の金庫、シンクとシャワールームは完備されておりますが、バスタブの有無は部屋によって異なります。無料の無線Wi-Fiもありますが、繋がりにくく、繋がったとしても通信速度が非常に遅いです。インターネット環境を必要とされる方は、有料の高速Wi-Fiをご利用いただくか、日本からポケットWi-Fiを借りてくることをお勧めします。基本的なアメニティーのシャンプー、リンス、石鹸、タオルは完備されておりますが、冷蔵庫、コーヒーメーカーはございません。

 建物内には、24時間利用可能なビジネスセンター、会議室、ATMマシーン、お土産ショップ、ランドリーサービスを提供しています。ルームサービス、レストランやバーはございませんが、ホテル近辺には、ペンシルバニア州フィラデルフィア発祥のチーズステーキサンドイッチが有名なファーストフード店Charleys Philly Steaksや日本でも人気の高いハンバーガーショップShake Shack、西に1ブロック先には、24時間営業の韓国料理のお店が集まるコリアンタウン(32丁目の5番街と6番街の間)があり、お食事処には困りませんので、外で済まされると良いでしょう。ホテルのロビーは、無料Wi-Fiはございません。多くの観光客が利用する大型ホテルですから、ロビーはざわついておりますし、時にはチェックインに行列ができており1時間以上待つ場合もございます。ペットのご同伴が可能で、毎年冬にマディソン・スクエア・ガーデンで開催される世界3大ドッグショーの一つ「ウエストミンスター・ケネル・クラブ・ドッグショー」の常宿としても有名です。

個人的な意見

 ミッドタウン地区にリーズナブルな価格で泊まりたい、という方には適したホテルですが、衛生面やサービス面では評判の悪いホテルです。広告写真ではきれいなホテルに写りますが、実際は一般のお部屋は清掃が行き届いておらず、カーテンが破れていたり壁紙が剥げていたり、シャワーのお湯が出ない、ホコリや虫がでたりするなどの問題をよく耳にします。また、ハウスキーピングを呼んでもすぐに来てくれない、フロントの対応が遅い、チェックインに30分以上待たされるという声も多く、サービス面では期待は持てません。これはニューヨークの安価なホテルに共通した問題といえますが、当ホテルは特にこのような問題が多いです。観光目的の方にとっては、安価であることは魅力的ですが、清潔さ、サービス面を考慮すると2.5つ星クラスのタイムズ・スクエア地区のロウ NYCやヘルズ・キッチン地区のザ ワトソン ホテル、スカイライン ホテルクラスをお勧め致します。この辺りのホテルであれば、観光地へのアクセスもよく、建物は改装されており比較的綺麗です。もし何かあったときには、要望やクレームへも早く対応してもらえます。出張のお客様でしたら、もう少しランクの高い3.5つ星クラスのお部屋をお取りになられることをお勧めいたします。いくら価格が安いとはいえ、設備やサービスが泊まれるだけの必要最低限のレベルに達していなければ、不満や怒りの感情が生まれるのは当然のことです。それでは高い旅費を払って長い時間をかけて遊びに来たニューヨーク旅行が台無しになってしまいます。せっかくのニューヨーク旅行ですから、良い思い出にするためにも当ホテルを選択されぬことが無難でしょう。

部屋数:1705室
スタイル:グランドホテル、寝るだけの空間、必要最低限のサービス
雰囲気:20代~ / 学生旅行 / 価格重視 / 格安ツアー

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