ホテル情報

 ピエールホテルは、グランドホテル隆盛時代に建てられたニューヨークを代表するクラシックホテルの一つで、ニューヨークで最も美しく優雅なホテルの一つとしてホテル界に君臨してきました。歴史と格式のある同等クラスのグランドホテルとしては、5つ星のウォルドルフ・アストリアのタワーレベルとセント・レジスがあります。ニューヨークの女王(Queen of the City)と呼称されてきたように、エレガントさでもトップクラス。セント・レジスやカーライルともよく比べられます。いづれもニューヨークではトップクラスのホテルです。また、このホテルはウォルドルフのタワーと同じく、歴代大統領のニューヨークの常宿として使用されています。

 ピエールホテルは、アメリカ経済がピークだった1920年台に建設が始まり、1930年に42階建て714室のホテルとしてオープンいたしました。創業者はピエール。ピエールは、フランスのコルシカ島出身でレストランの皿洗いから身を起こした人物です。パリ、ロンドンでレストランのビジネスを学び、当時産業と経済が勃興しつつあったアメリカに渡ります。ピエールはニューヨークのレストラン界でも頭角を表し、海運王モルガンや、鉄道王ヴァンダービルト等が出席する社交界にも積極的に顔を出すようになります。その後ウォール街から資金を調達して5番街の61丁目にピエールをオープンさせたのでした。ピエール自身も一文無しからアメリカ経済隆盛の波に乗り大富豪まで上り詰めた人物で、ピエールホテルもアメリカ産業革命の副産物とも言える豪華絢爛なホテルとなりました。

 戦後、ピエールホテルは他の高級ホテル同様にホテルの一部をレジデンスとして個人投資家やセレブに売却しています。住人としてはエリザベス・テイラーや、イヴ・サン・ローラン、アリストテレス・オナシス等が有名です。その後オーナーがフォーシーズンズに移管され、さらに2005年にインドのタージホテルズに移った後、最上階のトリプレックス(3階が螺旋階段で繋がっている)も$70ミリオンで売り出されました。当時、Forbesが世界一高額な家として特集したレジデンスです。しかし2013年にはその倍近い$125ミリオンの値段がついています。ピエールの価値はさらに倍近く上がったことになります。このような古い建造物でこれほど不動産価値があがることは稀なことです。現在では714室のうちその大半の部分、528室(現在は部屋を結合し78棟だけにしている)がレジデンスになっており、ホテルの客室は186室あるだけです。ただし、レジデンスでも全ての部屋に住人が住んでいる訳ではなく投資目的で所有するものがほとんどですからホテルが混みあうということは滅多にありません。

 ピエールホテルはセントラルパークの南東角の世界で最も高価なエリアに位置しております。隣のブロックにはシェリー・ネザランド・ホテル、斜め前にはプラザホテルが隣接しております。1981年には、セントラルパークの東側のこの一帯はニューヨーク市の歴史的建造物保全区域に指定されておりステータスの象徴のような場所となっています。観光目的としてはタイムズスクエアーから少し距離が離れており、またデリやコンビニなどが付近にありません。レジャーでお越しの方にとりましては少し不便な立地です。しかしながら、このホテルに宿泊する方々はリムジンで移動しルームサービスで飲食される方がほとんどでしょうから気になさらないかと思います。建物はブロンド・ブリック(Blond-Brick)と呼ばれる黄金色の煉瓦が使用され階下の外壁にはライムストーン(白い石灰岩)が使用されております。豪華で品があり外観が壮麗な建造物です。ロビーにはアールデコ調の白と黒の大理石が敷き詰められファサードまでも金箔が敷き詰められています。ロビーフロアーのサロンRotunda(ロータンダは円形の広場の意味)に描かれた騙し絵(tromp l’oeil:トロンプ・ルイユ)はピエールらしい優雅な壁画です。この騙し絵はこの円形の広場全面に天井までも描かれており装飾や支柱と融合してまるで地中海の宮廷にあるパティオにでもいるような錯覚に陥ります。またピエールホテルは毎週末結婚式が行われることでも有名です。ニューヨークの社交界に君臨してきたホテルの一つであり、豪華なボールルームはセレブのパーティーや映画のプレミアでもよく使われております。

 また、ニューヨーク最高のお部屋と言っても過言ではないスイートルームがこのホテルにはあります。このお部屋は39階全てを占有する大統領専用の特別なスイートルームです。部屋が空いていましたら予約ができます。40、41、42階(ペントハウス)の3階がトリプレックスのレジデンスになっておりますので実質ホテルのお部屋としては最上階となります。このお部屋は別格に素晴らしいのでご紹介しておきます。ニューヨークのホテルの客室としてはどこにも真似ができないセントラルパークや摩天楼の景観を360度ご覧いただける展望台のようなお部屋です。またご家族でもお泊りできるようにベッドルームが2つありバスルームも80平米ほどの大きさのお部屋が2つあります。家具、インテリアも申し分ないどころかフランスの宮廷を想わせるとても美しく豪華なものです。弊社のお客様の中でも、元首相婦人や芸能事務所会長といった方がこのお部屋にお泊りになりました。一泊2万ドル以上もするお部屋ですが、いづれも生涯の思い出になるとご満足されておりました。

 サービスについては賛否両論があるかもしれません。現在でもジャガーの送迎カーサービスを無料で利用できたり、エレベーターでは白い手袋をした女性がエスコートする伝統は守られておりますが、経営がインドのタージグループに変わってからというもの、自慢のサロンもアフタヌーンティーのサービスがなくなりました。また、インド人の雇用が増えておりソフト面では特に良くなったという印象はありません。SNSの口コミなども増え、顧客の要望も直に伝わるようになりましたので、ニューヨークのホテルはそれぞれ凌ぎを削ってサービス面を改善している状況です。ソフト面、人材力に関していえば、わたしがニューヨークに来た1990年代初頭はトップクラスでしたが、セント・レジスや(現在では)リッツ・カールトン・セントラルパークの方が素晴らしいと言えます。

個人的な意見

 ピエールホテルに宿泊される方はこのホテルに特別な思い入れがあることと思います。アメリカの歴代の大統領のお部屋があり、20世紀のアメリカを引率したエスタブリッシュメント等に愛されてきたニューヨークの女王でステータスの象徴的なホテルです。歴史と格調を重んじる方にとっては憧れのホテルでしょう。そのような方々はピエールの上位カテゴリーのスイートルームにお泊りになられるでしょう。もしこのクラスのホテルで普通のお部屋にお泊りになられるのでしたらセント・レジスをお勧めいたします。このクラスのお客様でしたらセント・レジスの方がサービスが良くお部屋の広さ、質の点では高く評価されています。ピエールの普通のお部屋は28平米とまず狭いです。2009年に100ミリオンドルをかけてリノベーションされましたが、正直に申し上げまして以前の方がカーライルっぽいチャーミングさがあってより優雅なインテリアでバスルームの内装も細部が綺麗でした。現在も白が基調でシンプルで美しいお部屋ではありますがセント・レジスのような味わいのある深みがなくなってしまいました。また、このクラスのホテルとしてはサービスがフォーマル過ぎます。一般的にレジデンスがホテルに併設されており、その重要な特徴である「住むように泊まる」という点において、スタッフのフォーマル(形式ばった対応)さがかえって宜しくない感じがします。雰囲気としましては、話しかけないで欲しい、というようなステータスが雲の上の政治家がお泊りになられるのが似合っています。

 また、普通のお部屋は狭くほとんどが内側向きとなっておりますが、セントラルパークを望むパークビューのお部屋は素晴らしいです。セントラルパークビューの上層階に位置するワンランク上のお部屋でしたら46平米ほどの広さもあってゆとりもあります。公園の緑と摩天楼のどちらも見える景観はこのホテルならではのものです。セントラルパークとプラザホテルの角のグランドアーミー・プラザから5番街のコーナーの辺りが目の前にご覧になれますから。パークビューが自慢のプラザ、パークレーン、リッツ・カールトン、マンダリン・オリエンタル、トランプ・インターナショナルでもこの景観は望めません。夏は緑が涼しく、冬は目の前の池でスケートを楽しむ人々をご覧になれます。

部屋数:186室(46室のスイートルーム)
スタイル:クラシックラグジャリー、エレガント、荘厳
雰囲気:40代~ / 品格のある方 / マダム / 政界人

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